鬼畜御曹司の甘く淫らな執愛

 そこで、思いがけないこの急展開に頭が追い付いていかなくて、ボーッと成り行きを眺めていることしかできないでいた私がハッとして、すぐに隼に声を放つも。

「……ちょっ……な、なによ? いきなり」
「痛みを伴うようなことは決して致しませんから、ご安心ください。ただ、僕の好きにしてほしいと言って下さった侑李さんのお望み通りにして差し上げているだけです」

 嬉々とした表情で私に答えてくれている隼があんまり生き生きしているものだから、危うくそのまま流されてしまうところだったけれど。
 
「……そ、そうなんだ……って、そうじゃなくて。どうして縛る必要があるかってことが聞きたいんだけど」
「それは、侑李さんが僕だけのものであるってことを身体で認識して下さるようにするためです。それに、僕だけのものだっていう支配欲を満たすためでもあるんですが」

 なんとか流されずに済んだものの、『何もかも受け止める』と言った私の言葉にすっかり喜んでしまっている隼の嬉しそうな声音を聞いているうち、だんだん……

 ーー独占欲と支配欲を満たしたいってこと? それで隼が安心できるんだったら、隼が望むようにしてあげたい。

 なんて、そんな風に思えてきて。

 けれども、今もこうしている間にも、手首にはネクタイが巻き付けられているものだから、いくら隼のことが好きだからとはいえ、これまで一度も足を踏み入れたことのない未知のことに不安や恐怖心が拭いきれないでいる。
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