【タテスクコミック原作】鬼畜御曹司の甘く淫らな執愛

 こうして、隼によって手首を拘束されていたことによりもたらされた思いもよらない副産物のお陰もあり、あんなに足を踏み入れてしまうのが怖いと思っていた未知への領域に、自ら進んで足をしっかりと踏み入れることになった。

 抱き着いた私の言葉に、しばし隼は驚いていたように固まってしまってたようだった。

 そんな可愛い反応を見せる隼が動く気配がしてすぐ、私に応えるようにして、今一度ぎゅっと強く抱きしめ返してくれたのだけれど。

「あー、もー、今夜の侑李さん、可愛すぎです。僕のことを腹上死させる気ですか?」

 急にそんなことを余裕なくいってきた隼によって、私の身体はあっという間にベッドに逆戻りしていて。
 
 突然のことに驚いた私が何かを返すよりも先に、隼によって身体は組み敷かれてしまい。

 後頭部と枕の間に手を挿しこんできた隼によって髪をぐいと掴まれ首を反らした体勢で私の唇は奪われてしまっていた。

 息継ぎもままならない熱くて激しい口づけで一瞬にして身も心も蕩かされた私の身体を、隼の唇と手とが貪るようにして蠢き始めた。

 そんなふうに私のことで余裕をなくした隼のことが、どうにも愛おしくて堪らなくなった私は、自分のすべてを捧げるべくそうっと瞼を閉ざして隼にすべてを委ねたのだった。
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