鬼畜御曹司の甘く淫らな執愛
「べっ、別に、そんなんじゃないわよ? ちょっとビックリしちゃっただけだから」
なんでもない風を装って、すずの正面の席に腰を下ろしつつ、あの頃と同じように返した私は、内心では動揺しまくりだった。
そこへ今度は、すずと一緒になって、私のことを『可愛い』だの、『好き』だの言ってたあの頃よりも、大人になって随分とパワーアップしたらしい結城君に、
「それは残念だなぁ。僕にとって、高梨さんは忘れられない特別な存在だったから、再会してあわよくばって思ってたのに。まぁ、こうして、宮内さんのお陰で、念願かなってやっと再会できたから、このチャンスは最大限に活かさせてもらうけどね?」
なにやら意味深な微笑を浮かべつつ、ぐいぐいと攻められてしまい。
あの頃、あんな酷い仕打ちをしてしまったというのに、もうすっかり忘れちゃったのか、何なのか。本気とも冗談ともとれるモノを返されても。
あの頃よりマシとはいえ、恋愛経験の乏しい私には、その判断もつかないものだから。
「……はっ!? 何相変わらず調子いいこと言ってんのっ」
あの頃とさほど大差ないモノしか返せなくて。
対して、結城君からは、隼を彷彿とさせる歯の浮くようなセリフを返されてしまうのだった。
「高梨さんこそ、変わらないなぁ? すっごく懐かしい。でも、見た目は凄く女性らしくなって、綺麗になってるから、僕、緊張しちゃうよ」