鬼畜御曹司の甘く淫らな執愛

 私の言葉を聞いた瞬間、キョトン顔だった隼の表情から、まるで一切の感情が抜け落ちてしまったかのような、真顔になってしまった隼。

 こういうとき、小説とかでよく真顔になったとか、無表情になったとかいう表現があるけど。

 どうやら人というのは、本当に驚いてしまった時には、こういう表情になってしまうらしい。

 櫻井さんへの嫉妬がきっかけとなり、勢いで言ってしまったものの、隼がどういう行動に出るかが不安だった私が、隼の反応を見逃すまいと隼の一挙手一投足を見守るべくして見つめていると。

「見せてほしい……って」

 思わず口からポロリと呟きを漏らしてしまったような隼の小さな声が聞こえてきて。

 無表情だった隼の表情がみるみる困惑の色に塗れていく。

「そう……仰って下さるのはとても嬉しいことなんですけど。セフレにしてたことと同じことを侑李さんにはできません」

 けれども、最後にはきっぱりと『できません』と言い切った隼の言葉に、私は言いようのない寂しさを感じてしまうのだった。
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