鬼畜御曹司の甘く淫らな執愛
それに対する隼の返事は、実にあっさりとしたものだった。
「……そうですか。とても残念ですが、侑李さんがそうおっしゃるなら、従います」
とはいえ、何の前置きもなく唐突に、彼女から別れを切り出されたのだから、当然驚いたのだろう。
一瞬、間があったし、声だって少し震えてた……様に思う。
でもそれは、私の願望に過ぎなかったのかもしれない。
だって隼は、何の躊躇いもなく、意義もなく、なんともあっさりと受け入れたのだ。
アイマスクをされたままだから、隼の表情がどんなものかなんて確かめようがない。
けれど、確かに別れを受け入れられてしまったのだ。
それを今更自分から、ナシにしてくれなんて言える訳がないし。ましてや、隼が引き留めてくれると思っていた、なんてことを言える訳がない。
もしかしたら、そんな私の思惑なんてお見通しで、わざとそう言ってるのだとしても、頑固で可愛げのない私には、折れるなんてことはできなかったのだ。
自分が言い出したのだから、極力平静を努めて声を放った。
「短い間だったけど、色々とありがとう。荷物のことだけど……」
声が震えたりしないように、 涙を必死に堪えてなんとか言い切ってしまおうとしたところで、隼の声が割って入ってきて。