【タテスクコミック原作】鬼畜御曹司の甘く淫らな執愛

 なんとかして損ねてしまった隼の機嫌を直してもらうためーー隼のことを失わないためにも。

「ヤダッ、聞いてくれるまで絶対放さない。勝手にセフレに嫉妬して怒って、勢いで『別れよう』なんて言っちゃったけど、私も隼が引き留めてくれると思ってたの。でもあっさり受け入れられて、勝手にショック受けちゃって、何も言えなくなっちゃっただけなの。本当に別れたいなんて一ミリも思ってない。
お願い、信じて? 何でもするからッ。機嫌直して、お願い! このまま隼と別れるなんて絶対イヤッ! だからお願いッ、何でもするから許して」

 大袈裟かもしれないけれど、人生で初めてじゃないかってくらい必死になって隼に許しを乞うた私の願いが通じたのか。

「本当に何でもしてくれるんですか?」

 振り払われまいと、隼の身体にしがみついている私に、隼の問いかけが降ってきて。

「するっ! 何でもするっ!」

 あたかも目の前に垂らされた餌付きの釣り針に魚が食いつかんばかりの勢いで、私は二つ返事で承諾してしまっていた。
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