鬼畜御曹司の甘く淫らな執愛
知らなかったとはいえ、自分勝手な私の言動で隼のことを追い詰めて、深く傷つけてしまったのだ。
隼の言葉で、そのことに初めて気づくことになった私は、そのショックで言葉を失ってしまっていた。
そんな私の足につけられたままだった拘束具を外してくれた隼が私に背を向けるようにしてベッドの縁へと移動して。両手で頭を抱え込むと、そのまま背中を丸めて項垂れてしまっている。
その隼の後ろ姿が小刻みに震えだした。
もしかして泣いてるの?
そう思ったら、居てもたっても居られなくなってきて。
「隼?」
けれども、何を言っても隼のことを傷つけることになりそうで、躊躇いがちに名前を呼ぶのがやっとだった。そんな時だった。
相変わらず私に背中を向けたままの隼がポツリポツリと呟くような声を放ったのは。
「……すみません。いきなりこんなこと言われても困りますよね?」
「ううん、困ったりしてない。私こそ、自分勝手なことばっかり言ってごめん」
「侑李さんはなにも悪くありません。侑李さんの言ってくれた言葉は嬉しかったくらいですから。これは、僕自身の問題です」
お互い謝り合って、すぐに隼が私に対して、フォローまで入れてくれる始末だった。
自分のことよりも私のことを気遣ってくれる隼の優しさが心に沁みてくる。
けれど、最後の『僕自身の問題です』という言葉を耳にした刹那、突き放されてしまったような気がして、言いようのない寂しさを覚えた。