鬼畜御曹司の甘く淫らな執愛
それがもとで、気の強い自分にも、ますます自信が持てなくて、こんな欠陥品の自分のことを受け入れてくれる人なんていないって、どこかで諦めてたところもあって。
でも、それで、この鬼畜から逃れられるのだとしたら、こんなにラッキーなことはない。
そう思ってしまった私が、最後の望みをかけて、
「残念でした。大学の時にとっくに経験済よ。でも、あいにくそういうことを一度も気持ちいいなんて思ったことも、イッた経験も一度もない、不感症の欠陥品です。それが元で初めての彼にもフラれました。それでもいいなら、どうぞ自由になさってください」
なんとかして鬼畜の魔の手から逃れようと、藁にも縋る気持ちで放った言葉も。
「ふっ、そんなことを言えば、僕ががっかりするとでも思いましたか? むしろ逆効果です。ますます愉しみで仕方ありません。これから僕が、嫌というほど何度でもイカせてさしあげます。あぁ、それから、勘違いしないでください。これは、業務命令です。あなたには、僕に指図する権限なんてありませので、さぁ、ご自分で、早く脱いでください」
なにやら、さっきよりも嬉しそうに満面に厭らしい微笑を綻ばせた鬼畜にとっては、これ以上にないくらい、ヤル気を漲らせる言葉でしかなかったようで。
鬼畜の言葉通り、恥を偲んで放った私の言葉は、逆効果に終わってしまったようだった。
――脱げばいいんでしょ? 脱げば!
鬼畜の見守る中。最後の望みも呆気なく砕かれて内心ではやけくそ気味に威勢のいいことを放ちつつ、渋々スーツの上着を脱ぎ捨てた私は、震える指先でシフォンブラウスのボタンへととりかかった。