【完】スキャンダル・ヒロイン
「静綺、高熱だして4人で遊ぶの断った時あったじゃん?その時も手作りクッキーとか持ってて拓馬にアピってたみたいよ。
それでまんまと拓馬から告白されて、別に譲でも拓馬でもどっちでも良かったけど、静綺が好きな男だったから拓馬にしたって自慢げに言ってたらしい…。
あのさ、こんな事言いたかないけど、しおりは静綺をあんまり良く思ってなかったみたい。
大学でもさぁー…あんたって裏表がない性格だから最初は誤解されがちだけど、普通にしてて結局人から好かれるじゃん。
何かそれが気に食わないって話をしてたらしい。だから静綺が好きになった男が自分を好きになって楽しかったって…」
「嘘……」
しおりが私に対してそんな風に感じていたなんて…。
ずっと仲が良いと思っていた。電車で一緒になって気さくに声を掛けてきてくれて、それからもずっと仲良くしてくれて嬉しかった。私はしおりが大好きだった。
そんな悪意を向けられていたなんて夢にも思わない程。
「静綺に言ったら気にしちゃうだろうなぁって思って言わなかったけど、やっぱり怒った…?」
「いや怒ったっていうか…普通にショックだった…。
まさかしおりにそう思われていたなんて。きっと知らないうちにしおりに対して嫌な事をしていた自分がいたんだなーって思ったらそっちの方がショックだった。
たっくんの事は昨日改めて会ってもう好きじゃないって思ったから全然ショックじゃなかったけど…」