この恋シークレット   ~アイドルと運命の出逢いをしました~
今回のシャイニングレインのコンサートには、VIP招待客がいるため、一部区切られた場所が確保されていたのだ。

その中に葵の席もあるのだ。

彷徨うこと数十分、全くわからずまた係員のいる扉の所まで戻ってきてしまった。

開演時間が迫ってきた事もあり、通路を歩く人は少なくなっていたので、葵は思い切って扉の前の係員に聞くことにした。

「あの~」

「はい」

「すみません。先程から席を探しているのですが、入口がわからなくて…」

「チケットを見せていただけますか?」

「はい。これなんですが…」

男性の係員が葵から受け取ったチケットを見た瞬間、目を見開き葵に視線を戻す。その顔には何故か驚愕の表情が。

「すみません。お名前をお伺いしても宜しいですか?」

「??はあ。結城葵と申します」

「…。結城様、結城様のお席はこちらの扉を入っていただいた所にございます」

「エエッ?一般人の私が入れるのでしょうか?」

「チケットをお持ちですので大丈夫です」

「そうなんですか…」

明らかに関係者入口の様な扉だ。想像していなかった展開に葵は放心する。






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