【短編】止まない雨と恋の始まり


私のせいで風邪でも引いたんじゃないかと心配になった。

どうしよう、この傘。

早く返さなきゃ。


でも次の日もその次の日も、傘を貸してくれた店員さんはいなかった。

風邪、長引いてるんじゃないか…。

私のせいだ…。


そう思っていた翌日、やっと喜多見さんの姿を確認できてほっとした。

雨の日からずっと持っていた傘をやっと返せると思った。


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