超短編集(1)
『夜の通話』


『眠れないから通話しよ』
夜11時のLINE。
返信するよりも早く通話がかかってきた。
「もしもし、起きてる?」
「起きてるよ。」
こうして夜に通話するのは良くあること。
しばらく話した頃、急に無言になる機械越しの君。
「寝たの?おやすみ切るね。」
私の声に被せて君が言う。
「誕生日おめでとう。」

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