超短編集(1)
『梅雨の時期に。』


帰ろうと玄関まできたら想像以上の雨で…
隣にいる幼なじみの彼は傘を忘れたみたいだ。
「どうする?私傘1つしかないけど」
「入れてよ」
当たり前のように私の手から傘を取り開く。
「はいはい、帰ろ。」
私も別に動揺はしない。
ただ、私たちはお互いのカバンに入った折りたたみ傘の存在を知らないでいた。

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