超短編集(1)
『嫉妬』


「出掛けないの?」
何回声を掛けても無視をされる。
久々に休みが合ったのに彼女は今日発売されたばかりの雑誌から目を離してくれない。
そこには、『今話題の新人俳優』と堂々と書かれ、一人の男の色んな姿が収められている。
繕った笑顔のどこがいいんだよ。
彼女の手から雑誌を奪う。
「本物を見てよ。」

< 17 / 20 >

この作品をシェア

pagetop