東堂副社長の、厳しすぎる初恋 +7/18
でも。
もし、そうだとしても、今の自分にはその気持ちを受け止める自信がない。
この大きな東堂家という家が、果てしなく遠く感じるのだ。
こんなに近くに来た今でも、いやむしろ今だからこそ、現実のこととして拒絶されている気がしてならなかった。
心が寒くて仕方がない。
お前じゃ無理だ。そんな声が聞こえるようで。辛い。
セイさんが「やれやれ」と大きなため息をついた。
「まあどっちにしても今のあんたじゃ、話にならないね。情けない顔をするんじゃないよ。ほら、ブドウでもなんでも沢山お食べ。なにと戦って、どういう結果を出すにしても、あんたは、まず自分に自信をつけないとね」
「――セイさん?」
「自分を信じてあげなさい。まずはそれからだよ」
セイさんはお茶を飲みながら、目を弓なりにしてにっこりと微笑んだ。