東堂副社長の、厳しすぎる初恋 +7/18
叶星が東堂家に来てから一週間が経っている。
草むしりやら庭掃除の手伝いをはじめてから屋敷内の庭のことは十分わかっているが、本館に足を踏み入れたのは、初めてのことだった。
入っては駄目だと言われているわけではなかったけれど、セイさんに誘われても遠慮していた。
自分を一員として認めてはくれない家に入ることは、やはりどこか抵抗があったのかもしれないと思う。
でもいま、そんなことは言っていられない。
叶星は全てを乗り越えるつもりで本邸の玄関をくぐった。
でもやはり、気が重い。
心の重さが何倍にもなって体にのしかかってくる。
それでも、夫人に謝らなければいけないという気持ちだけで、叶星は廊下を進んだ。
「はぁ……」
「大丈夫だよ。取って食われたりはしないから」