溺愛しすぎじゃないですか?~御曹司の初恋~
ホテルで親たちと別れた後、大輝は『指輪を買いに行くよ!』と私の手を引き歩き出した。

そして連れて来られたのは有名なブランドの店。
『いらっしゃいませ。』店に入ると上品な男性店員が声をかけてきた。


「婚約指輪と結婚指輪を見せてもらえますか?」

「かしこまりました。ではこちらへどうぞ。」


まず案内されたのはエンゲージリングが並ぶ棚。


「お気に入りの品がございましたらおっしゃって下さい。」

「わかりました。少し見させていただきます。」


ショーケースに並ぶキラキラ光る指輪を眺める。

私が気になったものと、『李子にはあれが似合いそう』と大輝が言った指輪を含め数点、店員さんに伝えた。

次は結婚指輪。

こちらは大輝と意見が直ぐに一致した。

指輪を選び終わると奥の部屋へ案内された。
若造二人でもこんな個室で指輪を試着させてもらえるんだと感心していたらどうも違った。

デザインだけで選んだ指輪の値段が一般的に私たちの世代の者が買うには高すぎる物だったらしく店側も初めての客だが急遽VIP対応する事にしたようだ。
ゼロが何個付いてるの?と、値段を始めて知り慌てる私をよそに大輝はなんてことない顔をしている。

店員が席を外した隙に『大輝・・・。』と心配そうに伝えれば『大丈夫。李子は気にしないの。俺が李子の気にいった物を送りたいんだ。』と平然としていた。
最終的に購入した婚約指輪は大輝が一番気に入っていたデザインのもの。

値段は・・・、考えると気が遠くなる。

そして店を出た私達はタクシーに乗り役所に婚姻届けを提出しに行った。

これで私も今日から望月ではなく風間だ。




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