片想い歴、10年。
ICUに着くと、ぼんやりと宙を見つめる結梨亜ちゃんが見える。



あの子、どんなことを考えているんだろう?



いきなり近づいて驚かせたらいけないから、1度ここから声をかける。



「結梨亜ちゃん。」



ぴくりと声に反応した結梨亜ちゃんは、少しだけ考え込んで、ゆっくりとこちらを向いた。



・・・関わろうとしてくれてる?



「そろそろ移動しよっか。」



明るめなトーンを意識して声をかけながら、結梨亜ちゃんを車椅子に乗せる。



やっぱり、軽すぎる。



お昼ご飯、半分は食べたらしいけど、量はかなり少なめだったはず。



まずはどのくらい食べるのかを知るために、中学生に必要な食事量を用意してもらっていたはずだから、それの半分となると・・・。



・・・いろいろと課題がありそう。

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