穢れ払い
懸念
「雄大おはよう、今日はいい天気だねぇ」


あたしは学校へ来ると必ず雄大に話しかけるようになった。


「見て雄大、今日の課題難しかったよねぇ」


アユカもあたしと同じように雄大に近づいて声をかける。


しかし雄大は無表情のまま反応しない。


ただ、授業はしっかりと聞いているようで、課題は完璧にこなしてきていた。


授業中に当てられたときに答えることもできる。


一見ごく普通の状態に見えると思う。


《名無し:最近、杉本雄大変じゃない?》


《ねこちゃん:なんかキモイよね、急に表情が無くなってさぁ》


《匿名希望:ついに壊れたんじゃね? 散々イジメてやったから!》


雄大への書き込みは相変わらず続いている。


あたしはスマホ画面を閉じて雄大へ視線を戻した。


「雄大、今日は一緒にお弁当食べようか。あたしのお母さんの手作りだよ」


そう言うと、雄大が一瞬顔をこちらへ向けた。


その口角がゆっくりと上がる。


「え、今笑った!?」


アユカも気がついて声を上げる。
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