183日のお見合い結婚~御曹司は新妻への溺甘な欲情を抑えない~
真衣は警戒感を強め、バスタオルを巻いた胸を両手で隠すように抱きしめた。

手を出さないという約束での契約結婚だけど、彼も男だ。

歯磨きは口実で、あわよくば裸の真衣と鉢合わせ狙っていたのではないかと邪推してしまう。

それを伝えて非難すれば、うがいの音が聞こえた後に、フンと鼻を鳴らされた。

「お前の裸は見たいと思わない。どんな価値があるんだ」

「ひどっ。二十七歳だよ。まだ肌は水を弾くし、形も崩れてない。そこそこ綺麗だよ」

「へぇ、綺麗なのか。それなら見てみたい……と言えば満足か? 俺を誘うな。変な期待をされても困る」

「誘ってない。期待もしてない。勝手なこと言わないで!」

鼻の付け根に皺を寄せた真衣は、カーテンを睨む。

柊哉と暮らし始めてまだ四日目だが、もう何度も喧嘩している。

最初の喧嘩は、この家に引っ越してきてすぐの時のことだ。

リビング以外の三部屋は、寝室、書斎、バーベルやランニングマシンが置かれたトレーニングルームとして使われていた。

そのうちの書斎を真衣の部屋としてあてがわれ、真新しいベッドがすでに運び込まれていた。

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