ねぇ確信犯、うるさいよ
「田中のばか」
「まあ否定はしないけど」
「しとけばいいじゃん、ばか」
「あー、うん、じゃあ、おれはばかじゃないよ」
「……ばかばかばか、田中のばか」
「でさ、ユメちゃん。認めてくれた?」
「認める、なんて、やだよ……」
てかなんで、“信じる”から“認める”に変わってるわけ?
「ねぇ、ユメちゃん」
彼が椅子に座る。目線が合う。視線が絡む。
逃れられないと感じる、絡まり方。
でも、目が合った瞬間。
ひどく安心した自分を、わたしがいちばん知っている。