ねぇ確信犯、うるさいよ
「んー、何を言えば信じてくれるかな」
彼は楽しそうに笑む。
「おれね、ユメちゃんの小説読むのすきだよ」
「……わたしは、読まれるの苦手だよ」
「文章の透明感っていうの?ユメちゃんじゃなきゃできない感じ、が、すごくいいよね。だいすきだよ」
「……ありがと」
「あとね、少し自分勝手なヒーローが出てくるとこもいいよね」
シャープペンシルを取られて行き場のなくなった手を、机上においていたのが間違いだった。
ぴくりと動いた指先を、彼が見逃すわけなかったんだ。