元カレ社長は元カノ秘書を一途に溺愛する
二人で一緒に出勤して、そこからはそれまでのように同じ部屋で、お互いに忙しく仕事を片付けていくが、昼食と夕食はほとんど社長室に瑠衣が食事を用意し、二人で食べるようになった。

今も、瑠衣が用意した昼食を二人で食べている。

「もう終わりか?」
「お腹いっぱい・・・」
「お前、前より全然食わないじゃん」
食事をするときはだいたい、瑠衣が杏奈の机の向かいに椅子を持って移動してくる。
「前とは年齢が違うんです。」
「俺はまだまだ現役だけどな。大盛とかざらに食える。」
「体の大きさの違いです」
職場では杏奈は絶対に敬語を使うようにしているが、瑠衣は誰もいない場所では敬語では離さない。
「なあ、杏奈」
「会社では名前で呼ばないルールです」
「西宮さん」
「はい?」
「俺たち、婚約してるって公表するか」
「っ!?何言ってんですか?」
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