元カレ社長は元カノ秘書を一途に溺愛する
自分で着替えをした記憶はない。

ふっと笑って杏奈はソファから立ち上がった。


「変態」
そう言ってキッチンに立つ大きな体の瑠衣の背中に抱き着く杏奈。
「おーびっくりしたー。」
体にびくっと力を入れて驚いた瑠衣にくすくすと笑う杏奈。

意外な杏奈の行動に驚きながらもうれしい瑠衣。

「少しは眠れたか?」
「ぐっすり。」
「よかった」
背中から響く瑠衣の声が杏奈の体に響く。
その心地よさに思わず目を閉じる。

今はいろいろなことを考えてくない。
何も考えたくない。
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