元カレ社長は元カノ秘書を一途に溺愛する
「息子を、どうぞよろしくお願いします。」
「こちらこそ・・・よろしくお願いします」
「普通の家庭ではないことでたくさん迷惑や負担をかけてしまうとは思いますが、どうか、息子を支えてやってください。仕事で矢面に立ち続ける息子がほっとできるような家庭を与えてやってください。」
深々と頭を下げる父に、杏奈も頭を下げながら、「はい」と返事をした。




「緊張は?大丈夫?」
帰り道、運転しながら瑠衣が杏奈の方を見る。

始終杏奈の様子を見て、二人で決めた合図が出るかもしれないとそばにいた瑠衣。

「大丈夫」
「本当に?」
「うん。瑠衣がずっとそばにいてくれたし。お義父さんも緊張しないように気をつかってくれてたから」
「そっか」
すっきりとした顔をしている杏奈に瑠衣も微笑んだ。
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