元カレ社長は元カノ秘書を一途に溺愛する

番外編～家族のカタチ～

目覚ましの音に目を覚ます。
寝室のカーテンはきっちりと閉められていて、部屋にはかすかな隙間からの光しか入らない。

かすむ視界をはっきりさせようと何度か瞬きすると、大きなベッドの隣がからっぽなのが目に入った。

しまった！

急いで体を起こしベッドから降りると少し冷たい空気にぶるっと体が震えた。
季節は1月。かなり冷え込む季節。
慌ててベッドの横にかけてあったカーディガンを羽織り、足元に置いてあるスリッパをはいて、寝室の扉へ向かう。

扉を開けると、そこからは広いリビングとその奥にキッチンが見える。

すでにカーテンが開けられた室内は朝陽でまぶしい。

一体今は何時なのだろうかとリビングの時計を見ると、6時30分をさしていた。

・・・またやられた・・・
小さくため息をついていると、キッチンから慌てて近づいてくる足音が聞こえた。