元カレ社長は元カノ秘書を一途に溺愛する
いつものように一緒に入浴をしていた二人。
向かい合わせで湯船につかり、翌日からの仕事の話をしていた時、「あぁ~っ」と杏奈が大きなあくびをしたことからはじまった。
「最近眠そうだな。」
「うん。寝ても寝ても寝たりなくて。」
「休み中はよくソファでも寝てたもんな。」
「うん。冬眠前のクマになった気分」
「ははっ」
瑠衣があくびをして少し潤んだ瞳の杏奈の頬に触れた。

「なかなかない休みに合わせて、体が休もうとしてるのかもな」
「うん」
「あー明日から仕事かー。また始まるな」
「うん」

瑠衣の研究の成果がかなり評価されて、年末には医療専門誌に特集が組まれて掲載され、国内だけではなく海外からも武藤製薬に取引の依頼が来るほど、注目されている。
おかげで海外の企業に対応できるように事業を拡大し、海外に支店を出す話まで持ち上がっている状況だった。
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