捨てられママのはずが、愛し尽くされています~冷徹社長は極上パパ~
 それに気付いたのか、涼さんの声が優しくなる。

『心配するな』

 ぎゅ、と手を握り締める。無意識に薬指の指輪を触っていた。

『鳴もお前も、ちゃんと守ってやる』

「……っ、うん」

 会社にも影響がある以上、涼さんの方が私よりも大変なのは間違いない。それなのに安心させようとしてくれる優しさがうれしかった。

 だから、申し訳なくなる。

「……ごめんなさい」

『ん?』

「あなたを夫だと思ってないのに、こういうときだけ頼ろうとしてる」

『……別にいい。お前が俺をどう思っていようと、俺はお前を妻だと思っている』

「怒らないの?」

『なぜ怒る必要がある? 頼ってもらえたのに』

「……あなたは私に怒るべきだと思う。都合のいいときだけ利用するなって」

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