捨てられママのはずが、愛し尽くされています~冷徹社長は極上パパ~
 抵抗するわけでもなくじっと見つめられた。心の中を見透かされるようで恥ずかしくなり、目を逸らしそうになる。それをぐっと堪え、改めて見つめ返した。

「好き」

「…………」

「……これでいい?」

「だめだと言ったらなにをしてくれるんだ」

 後頭部に伸びた手がさらりと髪を撫でてくる。首の後ろにやんわりと添えられ、そのあとの行動を遠回しに強制された。

「……キスしてほしいならしてって言ってよ」

「俺は言われなくてもする」

「私はしてほしいなんて――」

 言ってない、という言葉は声になることなく涼さんに飲み込まれた。

 突然のキスは終わり方も突然で、私の身体にもどかしさだけを植え付けていく。

「なにか言ったか?」

「……っ」

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