捨てられママのはずが、愛し尽くされています~冷徹社長は極上パパ~
 和解してから長いのに、そんな思いで胸が痛んだ。気にするな、と言ってくれた優しさに救われていいのか、今もわかっていない。

 と、そのとき部屋のドアが開いた。たった今思い浮かべた張本人が入ってくる。

「咲月は?」

「今、寝たところ」

「いつも寝ているな」

「赤ちゃんはそれが仕事だからね」

 ベビーベッドに三人集合して、みんなで新しい家族を覗き込む。

 しばらく誰もなにも言わなかった。もともと涼さんも鳴も放っておくと喋らないのだから、当たり前と言えば当たり前だけれど。

「……ママ」

 急に名前を呼ばれたかと思うと、鳴が抱き着いてくる。最近避けられているのかと思うほど接触が少なかっただけに、ちょっと驚いてしまった。

「どうしたの?」

「おれのこと、いらなくならないでね」

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