捨てられママのはずが、愛し尽くされています~冷徹社長は極上パパ~
「さっちゃんねー、なるくんすき」

「ふーん」

「なるくんは?」

「そういうの、よくわかんない」

「さっちゃん、きらい?」

「別に嫌いってわけじゃないけど……」

「そっかあ」

 咲月はちょっと頭が悪いと思う。いつもぼーっとしてにこにこしているし、泣くときは関係ないのに俺の名前を呼ぶ。自分で積み木を手に落として大騒ぎしたり、たまにパパと俺を間違えたりもする。ちょっとどころか、すごく頭が悪いかもしれない。

「なるくん、さっちゃんとかくれんぼする?」

「しないよ。宿題するって言っただろ」

「しくだい?」

「宿題。算数のやつ。やらないとパパが怒るだろ」

「パパおこらないでー」

「俺に言ってどうするんだよ」

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