捨てられママのはずが、愛し尽くされています~冷徹社長は極上パパ~
 その張本人はソファに座ってこっちを見ていた。気になるならなにか言えばいいのに、あまり積極的に話しかけてこないのはいつものことだ。ママに対してだけ態度が違うのはもう知っている。

 ぐい、と咲月に四角形の積み木を押し付けられた。勝手にポケットに入れられ、溜息を吐きながら取り出す。

「この間も俺のズボンに折り紙入れたよな」

「なるくんにねー、あげるの!」

「積み木ならまだいいけど、折り紙はやめろよ。洗濯したとき、大変だったらしいから」

「なんで?」

「中で溶けちゃったんだってさ。ママが言ってた」

「さっちゃんのぷぜれんとは?」

「プレゼントな」

「ぷぜれんと、ないない?」

「うん、なくなった」

「う……」

「いや、俺は悪くないだろ」

< 446 / 462 >

この作品をシェア

pagetop