悪戯 ―イタズラ―

「君みたいなひと。……初めて会った」

「どこにでもいるような男には。なりたくないものですね」

「飲みにいく?」

「酒より東さんで酔わせて下さい」


タカラくんが、立ち上がる。


「待って。会社では――」

「なに期待してるんですか。ほんと見た目によらず欲の強い人ですね」

「……っ」

「会社じゃなかったら好きにされたいんですね?」

「っ」

「まだ抱いてあげません。キスも。東さんから、どうしようもなくしたくなるまで。おあずけです」


誰が想像できた?


地味メガネくんの正体がこんなだって。


「慰謝料。払うよ、私」


自分の罪を君に消してもらうなんて、そんなの虫が良すぎる。


「黙って僕に守られてて下さい」

「……物好きって言われない?」


君なら私じゃなくていいでしょ。


「バカなのに根性までは腐ってないとこ。かわいーと思います」

「ぜんっぜん嬉しくない」

「きちんとあの男と別れさせてあげます。ココロはもう僕に傾いていますよね。カラダがアイツを覚えていても僕が上書きしてあげましょう。もっとも。今の東さんは、僕のペット未満ですが」

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