ウルルであなたとシャンパンを

「……いち、にい、さん、し…………やっぱり減ってない……おかしいな……」

とりあえず連絡して確認してみよう、と、ぽっかり口を開けたままのバッグを拾い上げると底の方で小さな振動と共にメールの着信音が鳴った。

反射的にバッグの中に手を突っ込み、まさか、と思って開いたメールの差出人は……ルカ。

『おはよう、カヤ。昨日はだいぶ酔っていたけど、体調は悪くない?コーヒーを持っていくから、起きたら連絡して。ルカ』

「……え?…………え?」

文面を読んで思わず疑問の声が漏れてしまい、もう一度、確認して、やっぱり同じ疑問符が口をついて出た。


コーヒーを持っていく?

ルカが?

私のところに?

なんで??

……というか、私、今日も会う約束したの???


思い返そうと重い頭をペシペシ叩いてみても、鈍い痛みが走るだけ。

自分の頭の性能の悪さにため息を吐いて、立ち上がった香耶は返事をする前に、とバスルームへ向かった。


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