無気力な一匹オオカミ男子に懐かれました。
慌ててその場に立ち上がり、額を押さえながら笑って答える。


「本当か? 保健室に行って氷で冷やしたほうがいいんじゃないか?」


「いえっ、そこまでしなくて大丈夫です! おかまいなく!」


先生はやたらと心配してくれたけれど、私はそんな手当てをしてもらうほどの痛さでもなかったので遠慮してしまった。


「そうか。あまり無理はするなよ。とりあえず朝比奈はしばらく座って見学してていいぞ」


「あ、はい……」


言われるがまま、体育館の壁際に座って見学させてもらうことに。


……ふぅ。なんか大ごとになっちゃったなぁ。


今度からよそ見しないようにしなくちゃ。



< 24 / 55 >

この作品をシェア

pagetop