あの日の帰り道



「美味しかったー。お腹いっぱい。
ありがとう相沢くん」


「どういたしまして」



使ったお皿を洗う相沢くんの横に立って話しかける。




食事中にこのコテージの事を色々と教えてくれた。

コテージに入ってすぐに夕飯の準備をしたからこのリビング以外の部屋を全然見ていなかったから。

バイクで走ってる時、感覚的に小高い山の中腹辺りかと思ってはいたが、まさか温泉かけ流しのお風呂が付いてるコテージだとは思わなくてびっくりした。


「じゃあ、相沢くんが先にお風呂入っていいよ。私がこれ片付けるから」

と言うと相沢くんも自分が片付けると言い出して後片付けの取り合いになったからジャンケンで決めた。


結果、相沢くんに片付けさせる羽目になってしまった。



何から何まで全部相沢くんが用意してくれてるのに後片付けまでさせてしまうなんて。



あまりの自分の至らなさにヘコむ。



そんな気持ちが顔に出ていたのか、相沢くんは洗い物をしながら言った。

「気にしないで先にお風呂入ってきていいよ」


「………うん」


「それとも一緒にお風呂入る?」


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