『ねこねこ幼女』の姉貴分〜ミメット姉さんの奮闘(書籍化記念SS)
「まあこんな感じで、エリナちゃんが来る前の青弓亭は、ある意味恐ろしい場所だったんだよね」

「そうだったんですか……」

 犬のマイクが店の後片付けをするエリナに話をしていると、ミメットが文句を言った。ちなみに、狼隊長のルディもエリナと帰るために閉店後の青弓亭で待っている。
 
「ちょっとマイクー、恐ろしいってなにさ。ひどくない?」

「あははは、ごめん。でも事実だよね。あの状況でも毎朝順番に青弓亭に通った僕たちってすごくない?」

「勇者と呼ぶわ!」

 きっぱりと言い切ったミメットに、たまらずエリナは吹き出した。

 マイクは優しい目をしてミメットに言う。

「だけど、今のミメットはあの頃とは違うよ。肉の焼き方だって上手だし、スープもシチューもとびきり美味しいものを作るんだもんね」

「いやまあ、それは、エリナが仕込んでくれたからさ……」

「エリナがいくら教え上手でも、ミメットにまったく才能がなければこんなに料理上手にならなかったし、小さなエリナに素直に教えてもらったミメットの度量の大きさは大したもんだよね。さすがは旋風のミメットだよ」

「なにさマイク、褒めてもなんにも出ないからね!」

「それは残念だなー」

「……まあ、これで我慢しておきなよ」

 そう言うと、ミメットは小さな包みをマイクに渡した。

「おやつにエリナと作った焼き菓子だよ。あまりないから、他の隊員たちには内緒だからね」

「おっ、やったー!」

 特別なお菓子を貰ったマイクは大喜びで尻尾を激しく振り、そんなふたりの様子を見ていたエリナとルディは目配せしあい、意味ありげに笑うのであった。
 
 
< 4 / 4 >

ひとこと感想を投票しよう!

あなたはこの作品を・・・

と評価しました。
すべての感想数:96

この作品の感想を3つまで選択できます。

  • 処理中にエラーが発生したためひとこと感想を投票できません。
  • 投票する

この作家の他の作品

表紙を見る 表紙を閉じる
子猫のエリナが戻ってまいりました。 今回も、モフモフ、モフモフ、とびきりのモフモフ、そして美味しい料理です! 見習いトリマーとして働いていた江理奈は 運命の悪戯で幸運を他人に搾取されて辛い人生を送っていました。 そんな彼女の癒しは、モフモフした可愛い生き物たち。 ある晩、車に轢かれそうな子犬(実は犬の妖精クー・シー)を救った江理奈は、 別の世界に転移することになり、 獣人たちの住むスカイヴェン国の守護妖精として 新たな人生を送るようになったのですが……。 コミカライズも絶好調の『ねこねこ幼女』シリーズの新作を、 よろしくお願いします(=^x^=)にゃん♡
表紙を見る 表紙を閉じる
 モフモフ大好きトリマーの江理奈は、トラックにはねられそうになった子犬の妖精、クー・シーを助けた縁で、異世界にあるスカイヴェン国に妖精獣として転移させてもらった。  子猫の獣人に変身したエリナは、幼いながらも青弓亭の名料理人として一生懸命に働き、周りの人々に溺愛されているが、中でも特に甘いのが保護者になった狼のルディだ。実は彼も妖精獣のフェンリルであった。  自分が謎の白猫の少女フェアリナであることをルディに言い出せないまま暮らしていたエリナだが、スカイヴェン国を襲った危機に対処するために、大切な人々に勇気を持って自分の正体を知らせたのだった。  そんなこんなで今日もがんばるエリナは、海の国フィフィールや森エルフの国マーレンでも評判が高くなり、いつの間にか国境を超えてモテモテになっていた。  というわけで、またしても子猫のエリナの新たなお話が始まります。ルディが空飛ぶフェンリルとなった今、冒険の舞台は広がって、子猫はスカイヴェン国を飛び出します。  そして可愛い料理人は、なにか美味しいメニューを思いついたようですよ。  楽しい冒険を、今回もどうぞよろしくお願いいたします!

この作品を見ている人にオススメ

読み込み中…

この作品をシェア

pagetop