あの日の初恋を君に〜六人の主人公〜
「あたし、瑠花ちゃんに何かあるといけないから瑠花ちゃんのそばにいていいかな?呪いにユニコーンや不死鳥が敵うかどうかはわからないけど、そばにいてあげたい」

未来は否定される覚悟でそう言った。ローザにそばにいてもらえばいいかもしれない。しかし、ローザには特別な力は何もない。それならば、魔獣使いという能力がある自分がいた方がいいと思ったのだ。

未来が帆高たちの方を向くと、帆高たちの顔はとても穏やかだった。

「未来ちゃん、瑠花ちゃんをお願いね」と英美里。

「何かあったらすぐ連絡してくれ。飛んでくる」と大地。

「足立のこと、頼むじゃけん」と瀧。

「僕たちが力を合わせれば呪いだって立ち向かえるけん!」と帆高。

「みんな、ありがとう!」

未来はペコリと頭を下げる。そして四人は寝室から真剣な顔をして出て行った。残された時間はあと百六十八時間。ここからは瑠花の命がかかった戦いだ。

未来は緊張で震える手を押さえ、苦しげな瑠花の方を向いた。
< 127 / 193 >

この作品をシェア

pagetop