あの日の初恋を君に〜六人の主人公〜
「ゴーレム！お願い！」

未来は心配げにこちらを見ているゴーレムに言う。ゴーレムはすぐに目線を悪魔に移して戦いを再開した。

「クソッ！覚えていろよ！」

悪魔たちはボロボロになりながら空に飛んでいく。倒すことはできなかったが、村人たちは全員無事だ。

「大丈夫ですか？」

未来が村人たちに訊ねると、「ありがとうございました！！」と全員が頭を下げた。

「あんなことをしてしまってすみません」

「あなた方がいなければ私たちは……」

村人たちの言葉に未来の胸が温かくなる。帆高たちも微笑んでいた。

「ねっ？すごい人でしょ！」

エディスがそう言い、ジュディスが「かっこよかった！」と笑う。未来がチラリとみんなを見ると、瀧がどこか真面目な顔をしていた。そして、その口が開く。

「あのさ、話したいことがあるんじゃけど……」

「ん？何？」

帆高が訊ねると、瀧は手招きをしながら村人たちから離れたところに行く。未来たちも互いに顔を見合わせながらついて行った。
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