モテ期を過ぎた後は寂しいけれど…

「久しぶり。」

先生を囲んでいる 私と綾乃の 近くに

徐々に 人が 集まってくる。


「えー。西野…君?」

綾乃が 驚いた顔で 言うと

「ハハハ。西野で いいよ。」


中学生の頃は 地味で 目立たなかった男子。

「西野…なんか 雰囲気変わったね。」

綾乃の言葉に

「こいつ 結婚して もう子持ちだよ。」

と横から 言ったのは 三井。


「三井?元気そうだね。」

私は 三井の顔を じっと見つめる。

「渚も。お前 綺麗になったな。」

三井は 眩しそうに 私を見返した。


20才のクラス会で 会って以来 10年振り。


三井は 相変わらず 自由な雰囲気のままで。

肌の質感や 刻まれた皺は 年相応なのに。

なんだか 少し 痛々しい気がしてしまう。

中学時代は モテモテだったのに。


穏やかに 落ち着いた笑顔の 西野の方が

魅力的に 見えるのは 私だけ?






 
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