モテ期を過ぎた後は寂しいけれど…

「誠って おしゃれなお店 たくさん知ってるね。」

「会社が 新宿だから。この辺で 飲むこと 多いんだ。」


誠との時間は 安心して 寛げて。

そのくせ ちょっと 甘くて。


他愛ない話しで 笑い合って。


食事から かなり長い時間 一緒にいたけど。

私は まったく 苦痛じゃなくて

逆に 帰りたくないと 思っていた。


「そろそろ 帰ろうか?」

誠が 言ったのは 日付が変わってから。

一杯のカクテルで ほろ酔いの私が

少し 眠くなってきた頃だった。


通りで タクシーを捕まえて。

私のアパートまで 送ってくれて。

「通り道だから。ちょうどいいね。」

お礼を言う私に 誠は 笑顔を向けた。


「今日は ありがとう。すごく楽しかった。」

別れ際 私が言うと

「また誘ってもいい?」

誠は 控え目に 私を見た。

「もちろん。私からも 連絡していい?」

「もちろん。」

嬉しそうな 誠の笑顔に 私の胸は 熱くなり。

私は 本気で 誠を 好きになっていた。









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