モテ期を過ぎた後は寂しいけれど…
お台場の 観覧車は
何組かの 恋人達が 並んでいたけど。
いくらも待たずに ゴンドラが来て。
「ちょっと 怖いね。」
「えー。渚って 高い所 苦手なの?」
「そうでもないけど…」
照れて 無駄にはしゃぐ私。
「わぁ。すごい。綺麗。」
昇るにつれて 広がる
東京の夜景は 美しくて。
「あのさ。観覧車のてっぺんで キスすると 別れないらしいよ?」
だんだん 上がっていくゴンドラ。
誠は 私の腕を引いて 隣に座らせた。
「誠…?」
誠は 私を 胸に抱きしめる。
「まだ てっぺんじゃないなぁ…」
そう言いながら 私の顔を上げて 唇を重ねた。
「渚…」
「……」
一度 唇を離して 私を見つめる誠。
私も 甘く 誠を見上げる。
ゴンドラが 頂上に 近付いて。
誠は もう一度 私に 唇を合わせた。
さっきよりも 長く…熱く……
私は 目眩を感じて 誠に 寄りかかる。
やっと 唇を離した誠は
鞄から 小さな包みを 取り出す。
「本命チョコの お返し。」
手に 載せられた包みを 私は見て。
今度は 私から 誠の唇に 触れた。