初恋サイダー
幼なじみと屋上
耳障りだったセミが静かになり、八月が過ぎれば、なんだかとてつもない寂しさに襲われる。
「そーへー。またこんなところで寝てんの?」
ジリジリに暑い屋上のコンクリートで寝そべっていると、幼なじみで同級生の前川ゆめこがやってきた。
ゆめこは俺のことを昔からそーへーと呼ぶ。ちなみに漢字で書くと宗平。
「夏休み、なにしてた?」
「海の家でバイト」
「だからこんなに焼けてんだ」
ゆめこは俺の腕をふざけるようにしてツンと触ってみせる。
「なんかそーへーと会わない夏休みって初めてだったよね?」
「お前が先輩とばっかり遊んでるからだろ」
「へへ」
ゆめこがひとつ上の先輩と付き合いはじめたのは半年ほど前のことだ。
先輩はバスケ部のエースをしていて、当然のごとくイケメンである。
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