初恋サイダー
少し前まで俺とコンビニの前で足を広げてコーラを飲んでたっていうのに、今ではちょこんと小さく足を畳んで座っている。
伏し目がちな瞳。ほんのりと色づいているピンク色のリップ。今まで見たことがない細いチェーンのネックレスをつけていて、もしかしたら先輩に買ってもらったものかもしれない。
そのどれもが、俺の知っているゆめこではないようで。
俺が知っていた幼なじみはどこに行ってしまったんだろうか。
「なあ、お前って夏休みに先輩と……」
「ん?」
「いや、なんでもない」
きっと俺が悶々とバイトをしてる間に、ゆめこはひとつ大人の階段をのぼったのだと思う。
高校生の男女が、手を繋ぐだけの清い付き合いなんてあるはずがない。
17、18の男なんてぶっちゃけ頭はそういうことばっかり考えてるし、俺だってゆめこが彼女になったら、そんなの普通に、抱きしめる。
先輩は半年も、よく我慢したほうだと思う。
俺だって、
俺だってさ。
暑さで溶けていくアイスみたいに、お前とひとつになりたいって……。
いつも、ずっと、昔から思ってたんだよ。