怖がらないで
次の仕事に向かうため大急ぎで事務所に戻って行ったマネさんを待つ。


「今回のっていつ掲載するやつなん?」

「えーとライブする時のやつだから2ヶ月後かな」


今日のやつは結構際どくてあの蓮が載るのがなんだかいい気持ちがしない

自分勝手やってのは分かっとるんやけど…


「もしかして嫉妬中?」

「え!…なんで分かったん」


余程分かりやすかったのかくすくす笑いながら可愛いって言って頭を撫でられる。

そのタイミングで丁度マネさんが来た。


「お待たせしてすみません!」


マネさんの謝罪を今日はたくさん聞く日やなぁって思いながらええよええよーと返すとありがとうございますと笑顔で言われた。


次の現場に向かいながら蓮とKILLERについて話す。


「いつぶりやっけ?」

「前回のライブ以来でしょ」

「やったら半年前やなぁ」


夏はライブ出来ないし、冬もライブができない俺たちは春と秋にのみライブを行う。

俺の体調が良ければ春ツアーなんかもしたりするんやけどこの頃体調は悪くなる一方でお医者さんから辞めておけとドクターストップがかっかってしもうとる。

蓮も事務所の人もみんな分かってくれとるから仕方ないとテレビの露出を増やしてくれたり、雑誌もコーナーを作ってくれてラジオまで2本ある。

ファンを寂しくさせないためにと頑張れるところで頑張ってるんやけど、俺としては俺のせいでやりたいことが出来ひんし、我慢させてばっかりやなって落ち込んでまう。

もうそろそろでライブの準備をしないとあかんのにこんな気持ちが弱っててできるやろうか

落ち込んだ心を誤魔化すように隣に座る蓮の手に指を絡めていた。





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