その瞳に映るのは


誠に聞かれた俺は思い切って聞いてみた。



「お前さ、俺の噂話、何か聞いてないか?…女絡みで。」


『雅人の女絡みの噂?そんなのがあるのか?』


「わからねぇから聞いてんだろっ!」


強めの口調でそう言ってから自分が今リビングにいる事を思い出して辺りを見回した。


既に母さんはリビングにいない。

多分風呂かな?

とにかく女絡みなんて言った後だったから少し焦った。


『女嫌いの成瀬だしなぁ。あ、昨日三島と歩いてたやつじゃねぇのか?』


誠の声を聞きながら、いつの間にか空になっていた紗夏のケーキがのっていた皿を見つめた。


「……紗夏に言われたんだよ。俺に彼女がいるって。」


『え?……どうしてそうなるんだ?』


「わかんねぇから聞いてんだろっ。」


誠も知らないなら明日学校の奴に聞くしかないか…。


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