その瞳に映るのは



「三島さん。」

その時、高田くんが教室に入って来た。


「あれ?あいつらはまだ購買?」

そう言って私の隣の渡辺くんの席に座って持ってきたパンを食べようと袋を開けた。



「ちょうど良かった。高田の彼女って紗夏の友達だよね?お似合いだと思う?」

「そんなのお似合いに決まってる!」


いきなり猪瀬さんに問われて即答する。


けど。

「ってことは超美少女なの?」

私の声を聞いた猪瀬さんが続け様に高田くんに問う。


「……は?何でいきなりそんな話なわけ?」

明らかに少し不機嫌になった高田くんに猪瀬さんは一歩も引かずに言った。


「紗夏が成瀬は格好良いから付き合うのは自分じゃ無理みたいなこと言うから聞いたの。」


猪瀬さんの言葉に思わず焦る。

高田くんに、成瀬くんと私の事を話したから。

いきなり訳わからない話題を振られて高田くんが余計に怒ると思ったから。



「……そういうことか。猪瀬、それを先に言えよ。」


「……?」

え?

高田くん怒ってないの?

というか、納得した雰囲気に私の方が拍子抜けた。


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