その瞳に映るのは



「言っただろ。お前は誰かと付き合ってる方がいいんだよ。成瀬がダメなら渡辺な。」


「王子っ!!」



渡辺くんが王子くんに詰め寄る。



思わず目を閉じて俯向いた。

渡辺くんが王子くんに掴みかかる勢いだったから。




「ハッキリさせた方がいいだろ。だから………………。」


「………。」






こんなの渡辺くんに失礼だ。

いくら誰かと付き合ってる方がいいと言われても成瀬くんがダメなら渡辺くんだなんて…。

渡辺くんが怒るのも当たり前だ。






「……分かったよ。」



渡辺くんの声とため息が聞こえた。


その声に思わず反応した。



「え?」



驚いて呟きながら渡辺くんを見ると渡辺くんと視線が合った。


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