monochrome

Sky Blue


足にアンクレットが巻かれた。
そして龍斗が私の髪を整え、メイクを直してくれる。

「ありがとう龍斗」
青「ん、綺麗だよ天咲」
「…、」
青「何照れてんの、笑」

龍斗にお礼を言って、スタジオへ入る。

桃「俺天咲の隣ー!」
「ふふ、はいはい」

大地の隣へ並ぶ。
何やら紫ノ宮さんがカメラマンさんと打ち合わせしてるみたいで、みんなは各々で話してる。

「ねえ大地」
桃「ん?」
「私水色だって」
桃「ああ、みんなで話し合ったんだよ」
「みんなで?」
桃「健斗に許しを貰った日に、こっそりな」
「そうだったんだ」
桃「アンクレット見せて」

そう言って、跪く大地。
…なんだか外国のプロポーズみたいな光景で恥ずかしい。
私はスーツの裾をたくしあげて、ギブソンブーツの上にかかったアンクレットを見せる。

桃「ふふ、綺麗だよ天咲」

さっきの龍斗とは違い、私を見上げて微笑みながら言う大地。
初めて色のことを教えてくれたのも、アンクレットを付ける理由を教えてくれたのも彼だった。
あの切なそうな寂しそうな大地の顔は、今も昨日の事のように覚えてる。

「私も何かあった時のために、ずっと付けてるね」
桃「大切にな」
〈はい、じゃあ撮りますよー!〉

各々ポケットに手を突っ込んだり、シャツに手を当てたり、とても普通の家族写真とは違う感じだが。
決して正当な道ではないけれど、自分たちのスタイルを崩さない。
そんな彼らに心底憧れている自分がいて。
< 63 / 134 >

この作品をシェア

pagetop