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そう言ってさりげなく俺の腕に抱きつく。
そして我に返ったように驚き、
天咲「やだ、ごめんなさい急に抱きついたりなんかして…」
「あ、いや別に…いいよ?」
天咲「…あの優さん、」
「ん?」
天咲「私が優さんのこと好き、って言ったら迷惑ですか?」
「…、」
呆気に取られて、黙ってしまった。
天咲「はーい私の勝ち、!!」
「いやこれ勝負じゃねーし」
天咲「どう?キュンときた?」
「いや、びっくりした危ねぇ」
天咲「まあこれがお仕事ですから?」
「やっぱお前すげぇな」
そう言いながら、座ってたベッドに横になる。
あの流れで一緒に寝て大丈夫なのか俺?
でも、ベッドに入ると天咲はまるで猫のように、丸くなって背中を向ける。
俺は天咲と同じ方を向いて寝転がる。
「ねぇ、天咲」
天咲「ん?」
「天咲は、どうしてそんなに強くいられるの?」
天咲「…どゆこと?」
「黒い車のこと、最近よく追跡されてるの気づいてるんだろ」
天咲「…、」
「怖くないの?」
天咲「…前、優に見つかったあの日、私初めて拓実と一緒にベッドで寝たの。
怖くて足がすくんだけど、拓実が抱きしめてくれたから怖くなかった」
「うん」
天咲「今日も怖い記憶を思い出した。でも優がこうして一緒に寝てくれる。
私にはみんながいる。だから怖くても、笑っていられる」
その小さな背中が頼もしくて、かっこよくて、
そして愛おしくて、背中を覆うように後ろから抱きしめ、天咲の手を握った。
「俺はここにいるよ。だから怖い時に怖いって言っていいんだよ。
抱きしめて欲しい時は抱きしめてやるから」
天咲「ありがとう」
優しく手を握り返してくれる天咲。
天咲の夢が、穏やかなものでありますように。